これを含めてあと二回変な場面が続いちゃったりして

愛・世界博 宇宙電波館(その37)



 まだ朝の六時すぎじゃないか。全然、寝た気がしない。もう少し寝かせて欲しい。外から事務員の声が聞こえる。

「おはようございます。私です。開けてください」

 私はベッドから起き上がると自分が裸であることに気づいたので、

「まだなにも服を着ていないから、ちょっと待ってくれよ」

 と外の事務員に返事をしたら、

「服なんか着ても着なくてもいっしょです。昨日あれだけエッチなことをしたんだから、裸でも平気です」

 と外から大声で言うものだから、他の客にこれ以上聞かれたらみっともないので、小さいタオルで股間だけ隠して、ドアを開けた。彼女はいつでもチェックアウトできるように用意周到で自分の荷物を全部持って入ってきた。そして私はあっけにとられていると、彼女は服を脱ぎはじめた。いったい何を考えているのだ。彼女はあっという間に下着姿になり、ブラジャーのフックを外しながら、

「もう疲れは取れましたか? 一晩経ったから、もう大丈夫でしょう。昨日みたいなことってないですよね。社員旅行の間でエッチが出来るのは、いまの時間しか残ってないです。東京に帰ってこんなことして、会社のみんなにばれちゃったら大変です。いまなら何やっても誰もわかりません。チャンスです。さあ急いでください。モタモタしてるとすぐに集合時間が来ちゃいます」

 と、変な理屈で私を性行為の対象と決め付けている発言をした。

 窓の薄いカーテンから光が差し、昨夜の薄暗い中で見た事務員とは打って変わって、明るい光に照らされた彼女は、意外と筋肉質だった。気にする必要のない体形をしているにもかかわらず、やはり下腹が気になるらしく、大事なところを丸出しで、お腹だけを両手で隠している。彼女は呆気にとられている私を見て、

「あんまりジロジロ見ないでください。これ以上私のお腹を見たら、セクハラで訴えます」

 と言って、ベッドの上にドサッと寝転んだ。そして彼女はうつ伏せになって、足をバタバタさせながら、

「私、本当は寂しがり屋だから、早く結婚したいんです。今の会社に誰か結婚相手がいないかなと思って入ったんですけど、全然私のこと相手にしてくれなくって……。私って、恋愛対象になりにくい女なんですか? 」

 と言って、涙目になっている。彼女は本当に恋愛対象になりにくいのだが、私は彼女の横に座り、

「そんなことないよ。きっといい人が現れるさ。心配しなくてもいいよ」

 と心にもない言葉で慰めてしまった。

 彼女はこちらを向いて笑顔を見せた。そして彼女は急に真顔になり、私に向かって言った。

「私をお嫁さんにしてもらえますか? 昨日、あんなことをしたんだから、もう結婚したのと同じじゃないですか。少しぐらい年が離れていたっていいんです。年なんか関係ありません」

 確かに私は彼女より十歳ぐらい歳が上だ。しかし今まで同じ会社にいたにもかかわらずこの事務員は重要なことを勘違いしているようだ。私には妻も子供もいる。私がまだ独身だと思っているのだろうか。可哀想だが早めに勘違いを直してやらなければならない。このまま彼女が思っている通りの男を演じてしまえば、かなりのエネルギーを使って、誤魔化し通さなければいけなくなる。正直に言ってしまおう。

「君は少し思い違いをしているようだ。僕には嫁さんもいるし、子供もいる。悪いが僕と結婚なんて考えないで欲しい」

 彼女は、

「ウソ、結婚なんかしている人に見えないです。こんなにもてそうもない人に、奥さんがいるわけがないです。どうして今まで言ってくれなかったんですか。ひどいです。私の体で遊んだだけなんて……」

 と少し泣き声になって言った。そして裸でベッドに腰をかけている私の胸に飛びついて、私を押し倒し、私の上に馬乗りになった。彼女は大声で、

「信じられないです。まったく。ああ」

 と言いながら彼女の股間と私の股間を前後に動いて擦り付け、刺激するものだから、またしても私の下半身の一部が硬直し始めた。そして彼女の股間から粘液が分泌し始め、滑りが良くなってきたかと思うと、彼女は前後運動をやめ、少し腰を浮かせた後、垂直にゆっくりと腰を落としてきた。


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