一言
バイク免許その6 2007.04.09
 
 友人はいつバイク免許に合格したのでしょうか。

 彼は青のCB750Fから降りると、

「買ったぜ」

 と一言、自慢げに言ったではありませんか。私は彼にいつ免許を取ったのか聞きました。

「免許? これから取るんだよ」

 やっぱりなそんなに簡単に取れるわけがありません。

 彼は先にバイクを買ってしまったのでした。その当時バイクの大型免許は、独立した免許ではなく自動二輪の中型限定や小型限定の条件を取り払った限定解除なので、中型限定免許を持っていて大型バイクに乗っても無免許運転にはなりませんでした。

 彼がそのバイクで練習するというので私がよく練習している閑散とした公園の駐車場に連れて行き一緒にスラロームや8の字走行の練習を始めました。私も少しだけ友達のバイクに乗らせてもらったのですが転倒すると弁償しなければいけないので、私はほとんど自分のバイクで練習しました。

 しばらくすると滅多に来ないパトカーが我々の近くを通りかかりました。今まで自分がその場所で練習していても一度もパトカーなど来なかったのに、よりによって大型バイクを持ち込んだ時に限ってパトロールに来るとはなんという偶然でしょうか。そして警官が練習している不審なバイク二台を発見したのでしょう、パトカーは通り過ぎないでこちらに向かって近づいてくるではないですか。

 職務質問されて免許証を見られると条件違反ということがばれてしまいます。これは逃げるしかありません。しかし後で冷静になって考えるとその時私は自分のGL400に乗っていたので特に違反はしていません。友達が一目散に逃げ出したため私もつられて逃げてしまいました。

 案の定、パトカーは我々を追いかけてきました。慌てると碌な事はありません。警察にしてみればただパトロールに来ただけなのかもしれませんが、それを見て逃げるバイクがいると怪しいと思うにに決っています。堂々としていれば何事も無かったのかもしれません。

 私は逃げるのを諦め、道端に停止しました。変に猛スピードで逃げてスピード違反で捕まると余計にまずいことになりかねません。しかし友達は先に行ってしまいました。パトカーは私のバイクの行き先を遮るようにして停止し、警官が降りてきました。

 私は観念して免許の練習をしていたことを正直に言いました。友達のことも根掘り葉掘り聞いて来るので口が軽い私は中型免許しかないのに大型バイクに乗っていると言ってしまいました。警官は私に免許証や学生証を提示を求め、手帳に書き留めています。私は連絡先も教えてしまいました。

 警官は私に友達を後で警察署につれてくるように言って帰っていきました。それにしても彼はいったいどこに行ったのでしょうか。連絡先を教えてしまったので逃げも隠れも出来ない気が弱い私は翌日学校で友達に会い、警察まで連れて行きました。その時彼に聞いたのですが彼はそんなに遠くまで逃げていたわけではなく、近くの草むらで警察が帰るのをじっと待っていたそうです。

 そもそも免許を取る前にバイクを買って乗っていいわけがありません。いつまたパトカーが来るか分からないのでビクビクしながら乗っても、気になって練習になりません。しかもいくら試験車両で練習するからといってずっと自己流で練習したのでは変なクセがついてしまいそうです。それではいつまでたっても免許が取れそうにありません。

 その当時、公認の教習所はなかったのですが、大型免許の指導をしてくれるところが数箇所ありました。学校も夏休みに突入していたので私は朝霞市にあるレインボーモータースクールを選び一日講習を数回受けました。やはり下手に自分で何とかしようと思っても知らない事は教えてもらわなければどうしようもありません。埼玉県の試験は特に厳しいようでしたが、それ以上に合格率が低いのはほとんどの受験者が練習をせずに試験を受けるからだと思いました。

 私はその講習を受けてみて少しだけ合格の可能性が見えてきました。


…… さらにしつこく次回に続く ……

 © 2007 田中スコップ 路上のゴム手
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