一言
爪切り 2006.07.23
 私は爪を切る時、爪切りは使いません。大抵、道具箱の中からニッパーを出してきて爪を切ります。以前は爪を切るには、専用工具である爪切りで切るものと思い込んでいました。

 爪切りで爪を切ると私はあまり器用でないためか足の親指の端っこがどうしても残り、それを抜いて取ろうとすると痛くて血が出るかもしれないので、やむなく靴下に引っかかりそうなところだけを切っておりました。特に爪が飛び散らないようにプラスチックのカバーが付いている爪切りは足の親指の爪の端っこを切るのに適していないように思います。

 以前爪切りが近くに無いときはハサミで代用していました。ハサミで爪を切る場合、右手でハサミを持ち左手の爪を切るのはうまくいきますが、反対に左手でハサミを持ち右手の爪を切るのはなぜかうまくいきません。私が右利きだから左手でハサミを持つのは苦手なのだからだと思っていましたが、どうもそれだけの理由ではなくハサミが右利き用に出来ているみたいです。

 ハサミを右手に持って何かを切るとき親指で押して、人差し指と中指を引っ張るとハサミの刃先が密着して切りやすくなります。反対にハサミを左手で持って切るときは親指のほうを引いて、中指と人差し指のほうをを押さなければよく切れないので操作が難しくなります。

 左手でハサミ持って右手の爪を切るときはよく失敗しました。ハサミで爪を挟んだだけで切れないことがよくありました。結局右手の爪が少し残ったり、深爪になったりでギザギザになってしまいます。左手用ハサミを手芸のお店やホームセンターで探したことがあるのですが、左手用ハサミはまだ見たことがありません。もっとも左手用ハサミを発見しても買いませんが。

 あるとき爪が伸びてきたなと思い、机の上を眺めてみますと、爪切りがありません。引き出しを開けて探しても見当たりません。それではハサミがないかと探してみましたがそれもありません。使い終わったら元に戻しておけばいいのに、適当にどこかに置いたまま忘れてしまうので私はよく物を無くしてしまいます。作業をする時間より物を探している時間のほうが長いことがよくあります。

 ハサミも無いのでなにか代わりになるものはないかと道具箱を開けてみますと中にはペンチやドライバー等に混ざってニッパーがあるのを発見しました。ためしに爪を切ってみるとよく切れるではありませんか。ただニッパーを使うと切った爪がどこに飛んでいくのかわからないのでまわりに人がいないときに切ったほうがいいです。爪の欠片でも目に入ったら大変痛そうです。

 床にティッシュペーパーを広げてそこに向かって爪を切るのですが、爪が飛ぶ勢いが激しく、一度はティッシュペーパーに当たるのですが跳ねて再びどこかに飛んでいってしまいます。切った爪の回収率は20パーセントぐらいでしょうか。大半がどこに飛んで行ったかわからなくなります。床を素足で歩くとごくたまに足の裏にくっついたり、バナナを食べているときにあやまって床に落とした場合に、そのバナナに付着した髪の毛やゴミに混ざって爪がくっついて発見されることがあります。

 小さいニッパーで爪を切れば足の親指の爪の端っこも黒くて臭い垢を残さず、思い通りきれいに切ることができます。しかも右手も左手も関係ありません。というわけで最近私は近くに爪切りがあってもわざわざニッパーを探してきて使うようになったのです。

 部屋の中で切ると爪が回収しにくい小さな尖ったゴミとなるので、屋外で爪を切り自由に飛ばしたほうがいいと思います。長屋の通りに面して置かれた縁台に座って、風鈴の音でも聞きながらパチンパチンとニッパーで爪を切るのも風情があっていいかもしれません。時折足の親指の端っこから出てくる黒い垢の匂いを嗅ぎ顔をしかめてみたりして……。爪の垢は煎じて飲む気にはなれません。


 追記

 この文章をアップロードした後、家族がこの文章を読んだところ、少し割高だが左手用のハサミは存在すると言ってました。私が知らなかっただけでした。ああ恥ずかしい。誰も読んでいませんように。
 © 2006 田中スコップ
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