一言
ナンバープレート 2006.06.03

 私はよく自動車を運転していますが、対向車を見るたびに時々思うことがあります。

 向こうから来る自動車を見ていると、その自動車の前の部分が顔に見えてきます。目がヘッドライトで、バンパーが口といったところでしょうか。四角い顔のトラックや、怒ったような顔のスポーツカー、別に普通の顔をしている乗用車、平べったいカエルのような顔をした外車というふうに色々な顔に見えます。

 しかしどんな高級車でも公道を走る自動車にはナンバープレートが付いています。しかも取り付け位置に多少の差はあるものの、決まって自動車のバンパーのところに付いています。それはまるでゲゲゲの鬼太郎に出てくるネズミ男のように、口から前歯が一本飛び出ているように見えます。こんな事を思うのは私だけかもしれませんが、どんなに格好いい自動車を見ても、その白いナンバープレートを見ると興醒めしてしまいます。

 ナンバーの色は白だけではなく、色々な種類があります。軽自動車の黄色いナンバープレートは、タバコのヤニ臭いおっさんの前歯を想像してしまいます。そして営業用の緑色をしたナンバープレートは、青のりがびっしりと振りかけられたお好み焼きを食べた後にニヤッと笑ったときの前歯を思い出してしまいます。そして自動車を後ろから見ると、そのナンバープレートはローライズのジーパンの尻からのぞいているフンドシの一部に見えてしまいます。こんな事を調子に乗って書いている自分に向かってそんなわけないやろとつっこんでしまいました。

 自動車が格好良ければ良いほど、ナンバープレートが目立って嫌です。だから私はナンバープレートの存在をさほど気にしないで済む商用の箱バンに乗っております。

 なぜナンバープレートが必要なのかはよくわかりませんが、識別番号程度の事なら別にあのようなお金がかかりそうなブリキ製のプレートにしなくても、ステッカーを貼っておくぐらいで十分だと思います。しかも再貼付不可能なステッカーにしておくと、ナンバープレート泥棒も無くなります。

 時々、ヤンキーや走り屋風の自動車で、ナンバープレートを外してフロントガラスの内側に置いて走っているのを見かけます。私と同様、所定の位置にくっついているナンバープレートに違和感を覚えているのだと思うのですが、そのナンバープレートを外した跡のバンパーのくぼみと取り付け用の穴が残っているというのも修理中のような感じで美しくありません。

 どっちみち整備不良で捕まるのならフロントガラスの所に置いても置かなくてもいっしょなので、外したナンバーはトランクの中にでもしまっておいて、復元不可能なぐらいにバンパーの凹みを埋めておくぐらいのことはして欲しいと思います。

 そういうわけで、私はどんな格好いい自動車を見ても、ああナンバーがついていやがると思ったとたんに自動車に対する購買意欲を失ってしまいます。もっとも、税金や保険、オイルに燃料、はたまた壊れるとほっとくわけにもいかないので部品代や修理代等、自家用車ほど無駄な出費がかさむものはないので、滅多に買おうと思うものではありません。

 しかし自動車には長年乗ってきました。今更、荷物を運ぶのに自転車でリヤカーを引っ張るようなことは面倒くさくて出来ません。しかも私が住んでいるところは田舎なので、バスの本数も少なく、最も近い駅までは十キロメートルぐらいあり、自動車が無いと不便です。

 どんなにスピードが出る高性能な自動車に乗ったからといって、いくらでもスピードを出してもいいわけはありません。信号がたくさんある街中で、スーパーカーに乗って、青に変わると同時にフルスピードで発進しても、次の信号でひっかかってしまい、トコトコと横をすり抜けてくるスーパーカブに抜かれてしまうのがオチです。第一、スピードの出し過ぎは危ないです。

 私の中では自動車は所詮、箱にタイヤが付いて、荷物や人間を運び、前歯が一本出ている顔をしていて、自分でこがなくても前に進む道具です。あ、でもカーステレオはあったほうがいいです。

 © 2006 田中スコップ
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