一言
家事手伝い 2006.05.17

 家に帰って暇そうにしていると、よく同居人から家事の手伝いをするように命令が下ることがあります。

 最近は何か手伝いをさせられそうだなと気配で察知できる特殊能力が備わってきたので、そういう時は特に何も用事がないのにゴソゴソと忙しいフリをします。

 しかし敵は数段上手の手練であるので、私の行動パターンは瞬時に同居人の頭脳にあるスーパーコンピュータのデータベースから割り出され、私が暇だということは隠し通せるものではありません。私の行動はそういう風に読まれているので滅多な事はできないようになっています。

 そういうわけで私はよくお風呂の掃除をします。

 いつものようにお風呂に溜った古いお湯を抜いて、お風呂用の洗剤を撒き、柄が付いたスポンジでお風呂をゴシゴシとこすって洗います。テレビのコマーシャル等でよく見かける、ぶっかけて流すだけで風呂がきれいになる洗剤を使っているのですが、隙間無く風呂にかけると大量の洗剤が必要になり、大変もったいないので、ちょっとだけかけてそれをスポンジでのばして使用しています。奥さん、お宅ではどうされていますか?

 浴槽を洗い終えると、シャワーで洗い流すのですが、ここで私はよく順番を間違えるのです。シャワーから出てくる物が硫酸等の劇物でなくてよかったと思います。

 本来ならば、シャワーを対象物である浴槽に向け、発射準備をしてから水道の蛇口をひねるのが正しい手順と思われるのですが、私はつい、シャワーを手にとらず蛇口の方を先にひねってしまいます。やっと風呂洗いが終わり、後はすすぐだけ、という安堵感からでしょうか、いつも同じ事をしてしまいます。

  そしてたまに前日、家族がシャワーだけで済ませていることがあって、蛇口の所にある切り替えがシャワーになったままになっていることがあります。私は何の疑問もなく蛇口をひねると意図していない所から雨が突然降り注いできます。

 冷たいと思ってからすぐによけても、かなりの水をかぶってしまいます。反射神経が鈍いのでしょうか。私は開き直って、そのまま風呂をそのシャワーですすぎ、お湯を張ります。

 風呂場から出るときに、脱衣場で濡れた服を脱ぎ何食わぬ顔をしてパンツ一丁で着替えを取りに行きます。

 そして私は数日経つと、そのことをすっかり忘れてまた水をかぶるのでした。

 自分の学習能力の無さに自己嫌悪することは一生つづくかもしれませんが、その自己嫌悪には一時的に陥るだけで、またすぐに下らないことを考え始め、深刻に思い悩むほどの反省材料にはなってはいないのでした。

 © 2006 田中スコップ
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