一言
目の上の眉毛 2006.04.20

 いかなる人間でも、意図的に排除したか体質的に生えない人を除いて、目の上に毛が生えています。太いのもあれば細いのもあり、その形は千差万別です。私は眉毛を剃ったことがないので、眉毛がないという不便さを実感したことはありません。多分、額から落ちる汗が目に沁みないためにあるのではないかと思います。

 以前、眉毛の形が太くてキチッとした長方形の人と会ったことがありました。それはまるで味付け海苔を四分の一ぐらいに正確に切って貼り付けたような形です。その人と話をしておりましたが、その不自然な形の眉毛が、会話の内容よりも気になってしょうがありません。仕事上の話以外はあまり重要な話でもなく、第三者から見れば私はその人の目を見て話を聞いているように見えるかもしれませんが、実は眉毛を見ながら話を聞き流していたのでした。

 私はその当時、下っ端の現場監督をしておりましたので、工事現場ではいろんな人を目撃しました。その眉毛が変な人も、その工事現場で会った人です。私は上司から聞いた工事の段取りをその人に伝えるために話をしていたのでした。

 後でその人といっしょに現場に来ていた人に聞いたら、あの眉毛は刺青だと言うのです。眉毛以外はいたって普通のおっさんなので、私は刺青と聞いて少しビビリました。なぜそんな不自然な形の眉毛にしてしまうのか私には理解できませんでしたが、本人にはなかなか聞けません。あれから現在まで何年も経ちました。私も会社を辞めて実家のある町に帰ってしまったので、その人とは長い間会っていませんが、これからも会うことは無いと思うので、その人の眉毛の形の理由は永遠に謎のままです。

 その人に限らず、いかなる美男美女でも眉毛だけを見ると変です。しかしその眉毛が無いともっと変です。眉毛をじっくり見れば見るほど違和感があります。それは小学生のとき漢字の練習帳に同じ漢字を大量に書いたときに、その字が意味を失って、ノートの上の模様に見えて、自分が何を書いているのかわからなくなる感覚に似ています。

 同じようにトリノオリンピックで金メダルを獲得した荒川選手のイナバウアーも私には違和感があります。荒川選手の演技を見て、私のようないい加減な人間でさえ、いたく感動してしまい、思わず涙が出そうになったのですが、その後の報道にはしつこいほどイナバウアーばかり流れていました。全体の演技を見てあんなに感動したのに、あの不自然に後ろに反りかえっているイナバウアーばかり見せられては、全然美しくもなんともなくなってしまいました。

 美しい顔も眉毛をひっくるめて全体で美しい顔が成り立っているので、荒川選手もイナバウアーばかりが報道されて飽きられてしまうと非常に気の毒です。あとアイススケートの演技の中で、優雅に滑っているのに突然飛び上がって、グリグリッと高速で回転して、また何事もなく優雅に滑っていくのもなんだか不自然な感じがするのは私だけでしょうか。

 ジャンプするたびに、こけるのではないかとハラハラするのでは、私は観客として心からフイギュアスケートを楽しめません。ジャンプして何回転できるかどうかというのを別の一発競技にして、フイギュアスケートはジャンプなしでもいいと思ったりします。
 
 © 2006 田中スコップ
もどる
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送