一言
禁煙その2 2005.11.07

  これから禁煙をしようとしている人に参考にでもなればと思って書いています。また自分が禁煙したときのことを忘れないために書いています。

禁煙(私の場合)

 とにかく私の禁煙体験を書きます。
 それは5月31日の世界禁煙デーのこと、子供が小学校から一枚のプリントを持って帰ってきました。それはタバコを吸う人はもちろんのこと、周りの人にも健康被害が及ぶという内容でした。もちろん知識としては知っていました。知っているにもかかわらず子供の近くで平気で吸っていました。自分は意思が弱いのでタバコをやめることは出来ないと思いこんでいました。それどころかタバコをやめるというストレスで病気になるのではと変に自分を誤魔化していました。

 子供は私に向かって

 「とうちゃん、タバコやめてよ。」

 みたいなことを言いました。

 意思が弱い私の心になぜかその言葉がつきささりました。普通なら少しムカッとするのですがそのときは子供の言葉に反感は持ちませんでした。素直にその言葉を受け止めてタバコはもうやめようと思ってしまいました。幸いポケットの中のタバコはマイルドセブンワン後一本を残すのみ。

 「これで最後にするから。」

 と言って家の外に出て火を点けました。

 最後の一本を吸い終わると、家の中に入りました。一時間ぐらい経つと、もうタバコが欲しくなりましたが、あきらめて早めに寝ることにしました。眠ってしまえばタバコは吸いません。翌朝までぐっすり眠りました。翌朝、いつもの通り、起きてすぐ吸いたくなりました。寝る前から起床まで数時間のうちにニコチンが切れていたのでしょう。禁煙をするといっても自分ではほんのちょっとの間、我慢するだけでまた吸い始めるのは目に見えている、そんなに簡単にやめられるものではないと思っていました。

 ついつい駐車場に止めている自動車の灰皿を開けて吸えそうなタバコを探してしまいました。しかしなんだか情けないなと感じて、吸うのをやめて家の中に入り、コンビニ袋を持ってきて、吸い殻を袋に詰めて固く縛ってゴミ箱に捨てました。

 それから会社に出勤したのですが、やはり頭がモヤッとしてタバコを吸わないと仕事が手に付きません。頭の中はタバコの一服のことばかり考えて能率は格段に落ちたような気がしました。しかしこう考えることにしました。自分はニコチン中毒という病気を持っているのだから、それを治すためには多少会社に迷惑がかかってもしょうがないし、禁煙することによって仕事がはかどらない自分の居場所が会社に無くなっても自業自得だとあきらめよう。

 しかし自分が思っているほど周りの人間は私のことを気にしてはいないようでした。しかも周りの人間はこちらから禁煙をしたと申告しないと誰も私が禁煙したということを知りません。タバコを吸わない自分がいても誰も不自然だと思っていないようでした。自分でも禁煙がいつまで続けられるか自信がないので、みんなが気が付かないなら禁煙したことを誰にも言わないでおこうと思いました。

 仕事が終わり、家に帰っても頭の中のモヤッとした感じは取れません。ご飯を食べたあと、やっぱり一服吸いたくなりましたが家にはタバコは一本もありません。体がだるいような感じが朝からずっと続いています。不意にイライラして心臓の動悸が速くなったり、不安感が起きたり、ニコチン切れによる禁断症状で精神状態は不安定でした。

 早く寝れば多少は楽になるだろうと思って、夜の8時頃にはフトンにくるまって、寝ようと努力をしました。しかしそんなに早くは眠れるはずもなく、ただ目を瞑ってじっとしているだけでした。体は横になっていても神経は起きているので、貯金を使い果たして一文無しになったらどうしようとか今ことさら考えなくてもいい心配事が次々と起こってきます。結局、朝までいらない心配をして少ししか眠れませんでした。

 翌日もそんな感じで、仕事中にも居眠りをしそうになりましたが、さすがにいつまでも眠れない状態は続きません。3日目は目を瞑るとすぐに眠ってしまいました。しかし昼間はまだモヤモヤとしていて、つい近くにいる喫煙者にタバコをもらいそうになりました。

 禁煙を何日間か続けていたある日のこと夜に会合があり、酒を飲む機会が訪れました。お酒を飲むとつい一本貰ってしまうのではないかと構えていました。口が滑って禁煙していると言ってしまえば無神経な冷やかしの対象になってしまうと戦々恐々としていました。宴も盛り上がってきたとき近くにいた人が言いました。

 「そういえば最近、タバコ吸っているのを見ないけど禁煙でもしてるの?」

 とうとう気付かれました。ていうか私の行動からたぶんみんなが気付いていたのだと思います。

 近くにいるのは喫煙者ばかりです。まわりからタバコが差し出されます。

 「我慢しないで吸えばいいじゃない。」

 「精神衛生上よくないよ。」

 つぎつぎと勝手なことばかり言っています。禁煙3日目ぐらいまでだったらたぶんタバコに手を出していたでしょう。すでに3週間ぐらい経っていたのでイライラは若干収まっていました。それでも目の前にタバコがあると欲しくなってしまいます。あれだけ勧められて、よく我慢できたのだと思います。

 禁煙10日目ぐらいから、これだけタバコを吸わないでいたのだから、続けないともったいないと思っていたのでした。それから今に至るまで禁煙が続いています。

 私の場合、前述のように禁煙は10日目ぐらいが山でした。いつまた喫煙癖が再発するとも分からないのですが、今のところ大丈夫です。禁煙してみようという方、とりあえず10日禁煙してみてください。あとは段々と楽になってきますから。禁煙の最初はどうしても社会的な生活に支障が多少出てきます。それは病気だからしょうがないことなんです。

 今回は私の体験をネタとしてではなく記録としてここに書きました。

 なんでこんな煙たい物を吸わなくちゃならなかったのだろう。タバコが他の薬物と同様に全面的に禁止になっても今の私は困りません。

 禁煙ガムや禁煙パッチは使っていません。また何年か前に禁煙の書籍を買いましたが、読むのがめんどくさくて読んでいません。タバコはある日突然やめられるものです。
 
 © 2005 田中スコップ
もどる
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送